2010,7,18(日) 国立新美術館 2F 2A
第62回毎日書道展 前期?期 「かな・近代詩文書・前衛」
会員以下&入賞者(姓号 た?わ行)
13:00?14:00 ?毎日賞 「かな」 解説 (作品の前で)
14:00?15:00 毎日賞 「近代詩文書」 解説 (作品の前で)
15:00?16:00 毎日賞 「前衛」 解説 (作品の前で)
?
? かな 桟敷東石 先生
かなは、漢字から来ている。形だけにとらわれてはいけない。
起承終筆は、蔵法が多くなる、
蔵法がいけない訳ではなく、露法がいけない訳でもない。
上手いと思うよりも、作品には人柄が出る。
(山田勝子先生の作品)
行の長さを違えて、作品効果をあげている。
(森廣青寿先生の作品)
偏と旁のピリット感が良い。直筆線が練れている。
周到な準備をされた作品。
(緑川礼子先生の作品)
穏やかな温かい線質。
流麗であり、単調でない、ベテランの書。
(宮本好華先生の作品)
線質が穏やか、爽やか。
作品に華やぎがある。
(松村三幸先生の作品)
筆が躍動する線を漢字を使いすっきりと納まる。
作為的でない筆の運びで、自然さと素直さがある。
(本川万希子先生の作品)
蔵法の多い筆の運び。
2行に見えて3行書きのまとめ方に圧巻。
(松本瑞芳先生の作品)
最初の書き出しの文字で決まる。
軽快な書き出し、きりっとしているが力んでない。
(根岸司黎先生の作品) ケース入り
古筆の様。
漢字を多めに使い、引き締まった美しさのハーモニー。
(瀧澤栖幸先生の作品)
渋い線、滑らない線、ゆっくりゆっくり筆を運び、
節が付いているようである。
(泊出淳子先生の作品)
横に8行の素晴しさ。
(遠山玉茂先生の作品)
「夕月よ二見の浦の・・・」味わい深い線である。
(寺島玉伃先生の作品)
黄色の紙に、字姿小さく、収めている。
(長沼玲子先生の作品)
流麗な線が見事。
(千代谷清州先生の作品)
静かに進み、華やかに流れて、引き締まっている。
(高橋紫岺先生の作品)
明るく簡略化された線で、静か表現。
(仲田佳世子先生の作品)
かなりの動きがある作品。
(舘山佳央先生の作品)
墨の置き方一つで動きが変わる。
(土橋礼苑先生の作品)
あでやかに品が良い。
(藤井千束先生の作品)
終始一貫の作。
? 近代詩文書 百瀬大蕪 先生
作品は解説すべきでない。
自分は所帯を持つようになって、千円を入れる熨斗袋を書きたいと思った。
展覧会の楽しみ方、作品の見方、「もし、1つ貰って帰るとしたら?」
必ず、波長が合うのがあるはずである。
観察(詳しく調べる)と鑑賞(芸術作品を見て楽しむ)は違う。
そして、書くときも楽しむ。 書道は楽しむ。
富士山のご来光、ビデオより本物は感激が違う。
大きさに因る作品のインパクトの違い。
作品の対角線の長さの2?3倍の位置で見る。
半目でピントを合わせない作品の鑑賞。
戦前 :漢字・かな・篆刻 の3種のみで心で見た。
近代 :日本人、日本の言葉を近代詩文書で表現。
32名の審査員による、「150点の1」は、149人の仲間の応援でもある。
「日展」個性が無い、顔が見えない。
字の形ではなく、人間を学ぶ。
毎日書道展は個性を尊重し、書の文化を次世代に伝える役目がある。
作品は人間の評価である。
線の厳しさだけでは人の心を和ませない。
墨を滲ませ、文字を盛り上がって見せる。
潤滑の文字が飛び出し、文字と文字が語り合っている。
油絵は、影を作って立体感を出している。
ヨーロッパアートは立体感、音楽的リズムがある。
文字は詩文から受けるイメージ。一直線でなく、蛇行線で生きる。
粗密・余白・余っている白・白をより美しくする為に黒を引く。
? 前衛 大六泉嶽 先生
福井県の自然豊かな所で生を受ける。
毎日書道展は18歳でスタートし、
昭和33年2点の内1点入選した時の感動は一生忘れられない。
良い物を多く見る目を養う事。
デリケートな墨の色、墨の四季(春・夏・秋・冬)、墨の魅力。
紙に横線三本引く時、線で紙を分断するのではなく、
その文字性から前衛書が生まれる。
白の緊張感・余白という余った白の空間生かす墨の力。
(温井和海先生の作品) 「道」
組み立ての強さ、志向性の高さ。
ポイントを右にずらし、左の明るさ出す。
(冨依綾子先生の作品) 「自然に」
スケールの大きさ表現されている。
(西村粋香先生の作品) 「無限」
明るい作。
(野口加奈先生の作品) 「華」
淡墨で薄い墨が固まって黒っぽさが残る。
(真鍋草香先生の作品) 「和」
奥行きのある深い線で、抽象画、人間性の表現。
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