2010,7,25.(日) 国立新美術館 2F? 2A
第62回 毎日書道展、毎日賞の解説 No.3
後期1期「漢字・大字・刻字・篆刻」
会員以下&入選者(姓号 あ?さ行)
13:00?14:00 毎日賞 「漢字」解説 (作品の前で)
14:00?15:00 毎日賞 「大字」解説 (作品の前で)
15:00?15:30 毎日賞 「刻字」解説 (作品の前で)
15:30?16:00 毎日賞 「篆刻」解説 (作品の前で)
? 漢字 加藤有鄰 先生
線質は 漢字1類=隷書も入る。確実性が求められる。
線質は 漢字2類=線のうごめき、表現力が求められる。
金子鷗亭先生は、「文字は踊りである」おっしゃった。
バレエ・フラメンコ・サンバなど、紙に表現する。
筆の強弱、線の遅速 などで、書き込む。
古典の修練によって、文字の変形や新しい展開が出てくる為、
自然の線質になる。
品格は高貴である事大事。
中国では、淡墨作品は無い。
淡墨の作り方は企業秘密である、1?2滴を20分擦って、
さらに手で磨り、相性があり、秘密である。
金文や甲骨文は、現代書に通ずるものがあり、
柔らかい線で穂先が中心を通る。
脇役がしっかりしていると、主役が引き立つ。
「毎日賞」は毎日書道展の「顔」であり、進めべき姿である。
(井堀多美子先生の作品)2類
メモを取れなかった。
(市川豊雲先生の作品)2類
線が重厚で温かい。
(池田勢峯先生の作品)1類
濃墨で書くと線が荒れてくるのだが、きれいにまとめられている。
(井野文代先生の作品)2類
「不染心」、先生とゴミ砂漠を旅した。
宿墨と新墨と3種類を混ぜながら、淡墨を作った。
(島田白露先生の作品)1類
(川越紫鶴先生の作品)1類
メモを取れなかった。
? 大字書 柳碧蘚 先生
1?2文字で表現するデリケートな書。
力量・作風・力強さ が要求される。
肉感的な表現をしたいときは、羅門箋も良い。
上、左は良いが、下まで突き出る事はタブー。
撰文から始まり、書き壊さない事が大事。
(安部芳風先生の作品)
「飛来」、危険度高い作品。スピード感あり。
「湖水」
スピード感があり、ぴたっと止まる。
普通、右から左に書くのだが、(氵)を右に書くと流れが止まってしまう。
(沖春翠先生の作品)
印も左から右に。
(奥平将太先生の作品)
「山風」濃墨作品で、苦しいけど仕上がりはさらっと。
(小谷寛幸先生の作品)
「射」
(井野口芳節先生の作品)
「壑」
(阿潟浜翠燕先生の作品)
「包」
(川上雅弘先生の作品)
「唯」
(清遠瑞先生の作品)
「到」
(小林耿舟先生の作品)
「遷」
? 刻字 薄田東仙 先生
自書自刻を基本とする。
刻字は日本が本家。
アートとして位置付け。
色・立体的・造形的である為、インドやイスラエルからも指導要請。
書を理解する為に刻字する。
前期展に2作品。
偶然に出来る線を、必然の線にする。
深い線とは、彫った線の深みで表現。
縦横で脈絡を表現。
浮き立たせる線:削り落としてもボンドで修正可能
彫る線:こちらの方が難しく、一旦削った線は元通りには不可能。
命を吹き込む。
イスラエルのヘブライ大学で講師を依頼される。
金子卓義先生が亡くなる2週間前、「世界の書と言えるのは刻字になろう」
? 篆刻 稲村龍谷 先生
篆刻は印作品であるが、実印とか認印とは違う。
篆刻は篆書(甲骨文字)。
2,000年前がピークである。
明治に入ってから、遣唐使時代に「印」を伝えた。
100年200年前から、古典文字彫る。
文字を調べる、構成する、彫るの作業。
印篆、彫篆、金文。
縦横四角の中で、朱文、白文がある。
反り、逆反りがある。
偏と旁の粗密や切れの関係などで文字構成が難しい。
前期展に2点の作品。
「集」→「隹隹隹木」 三角形に隹、下に木
「雪」→「旧字体の雪」 雪の結晶を表す